VOL.27
2025.2.17.MON.
店内に一歩足を踏み入れた途端に感じるのは、「This is American!」という圧倒的なスケール感だ。空間の広さと相まって、ベッド、ソファー、ダイニングセットなどいかにもアメリカンなデザインのビッグサイズな家具と、照明器具やアートなどお部屋にコーディネートしたい小物たちが広大な空間にディスプレイされている。アメリカのホームドラマや映画みたいというのは月並みな感想だけど、まさにその通りだ。
さて、こんなお店の“うちのいちばん人気”とは、いったい何だろう。ブランドマネージャーの小北さんの、ソフトな語り口でお話をうかがった。
ブランドマネージャー、
インテリアコーディネーター
小北真也 さん
インテリアショップを経て、アシュレイに入社。インテリア・家具業界で、20年以上の経験を有している。アシュレイのブランドマネージャーとしてアメリカ側と協議を行いながら、日本での販売に力を注いでいる。
アメリカのインテリア界のトレンド
“ど真ん中”のソファーです。

いきなり、「アメリカインテリア界のど真ん中」なんて、すごいキャッチフレーズで語られるこのお店のいちばん人気って、どんなものなんだろう。期待マックス、興味津々。まずは商品を見せてください。ということで、ソファーの前に案内された。正直、ど肝を抜かれた。なんだか、“ど”が多いですね。ど(度)が過ぎる?(笑)
ひと目見ただけで、なるほど!アメリカの家具だと実感するビッグサイズのソファー。でも、圧倒されるサイズ感なんだけど、意外にエレガントな雰囲気を漂わせている。太い畝の柔らかそうなコーデュロイが張られたソファー。なんとも、見た目のインパクトがある。
コーデュロイはそもそも労働着の素材とされているんだけど、そんな雰囲気は微塵もない。なんとも言えぬ柔らかそうな見た目。手で触ってみても、表現が適切かどうかは別にして、シルキータッチだ。ところがこの素材は、意外にもポリエステル製のコーデュロイ。この滑らかで柔らかい素材感が、この「Lindyn(リンディンソファー)」の最大の特長だ。

ジャンボコーデュロイと言う名の素材で、いま、アメリカのインテリア業界で、こぞって採用されているらしい。「座ってよろしいですか?」と、断ってからお尻を乗せてみると、フカフカの座り心地がなんともゴージャス。でも、カラダが沈み込んでしまうような座り心地ではない。
フカフカにして、シッカリなのだ。なんとも座り心地が良い。見た目、座り心地、そして手で触った感じ。三拍子そろったというのも変な表現だけど、そういう評価ポイントの多いソファーなのだ。
ラスベガスの展示会で見た風景で、
きっとトレンドになると確信。
小北さんとジャンボコーデュロイの出会いは2024年の1月のことだ。
ラスベガスの家具やインテリアの展示会へ市場調査に出掛けた。競合店の現地調査をしている中で、現地のインテリアショップをまわった小北さんが目にした光景は……。なんと、どこの家具店に行っても、このジャンボコーデュロイ素材を使ったソファーが並んでいた。それも、どの店も、どの店も、大々的に並べていたという。その光景を目の当たりにして、こいつはきっと“アメリカのトレンドのど真ん中”へ昇っていく商品なんだと、確信を持った。そして、まさに、アメリカのインテリア業界はその流れになった。いまや、ジャンボコーデュロイのソファーはアメリカのインテリア界を席巻しているとか。
じぶんの予感が当たるって、マーケティング調査の醍醐味ですね。良いお話を、ありがとうございました。


ゆとりを感じさせるサイズ感だけでなく、この風合い、この色合い、いろんな要素がこのソファーをアメリカインテリア界のど真ん中に君臨させている要因なんだろう。
このソファーを置くだけで、まるで海外の部屋のようになるだろう。こんな家具に座って、ゆったり本を読んだり、お酒を楽しんだりしたいな。ゆとりユーユーライフだ。友人を招いてのホームパーティーなんかに、じつによく似合うソファー。友だちたちを前にして、このジャンボコーデュロイのウンチクを語ってみたい。そんな感想を持ったインタビューだった。
インタビュー&ライティング 田中有史