VOL.14
2024.11.12 TUE.
“家具ショップではなくセレクトショップ寄りの店”と咲間店長が言うように、店内に一歩足を踏み入れると、ラグ、絵やポスターなどのアート、ミラー、グリーンなど小物類の多さが目を引く。それらを一つずつ、まるで鑑賞するように見て回るのも楽しい。大型家具なら財布の中が心配で躊躇ってしまう、衝動買いの誘惑が待ち受ける店だ。さて、本日のテーマは、「うちのいちばん人気」。セレクトショップさながらの家具屋さんのいちばん人気は、はたして何でしょう。
店長 咲間穣二 さん
大学を卒業以来、ずっと接客・販売ひと筋の道を歩いてきた。家具業界に携わって約20年販売や仕入れを担当するも、一転して別の会社に移り産直市場をプロデュースし食品も扱う。そして再びこの会社に戻り現職。家具業界23年。国内はもとより海外のいろんな地をまわり家具を見る目を養ってきた自信がある。
やっぱり、いちばんの人気は、ファブリック系ソファー。
ファブリック系のソファ。中でもカウチタイプがいちばん人気だという。ファブリックのソファには布を選ぶ楽しさがあること。そして、じぶんが選んだ布を貼ったソファが届く。それまでの、商品を待つ間のワクワク感とその時間も宝物なのだ。いかにも気分を高揚させてくれる時間の経緯を想像できますよね。
高級感があり、デザイナー家具のようなモダンなデザイン。豊富なファブリックのカラー。座り心地は沈み込んでしまうようなフワフワのものではなく、日本人好みの硬さ。卸問屋なのでお買い得な価格で提供できるのも人気の理由。さらに、経験豊富なスタッフが、ソファに合わせて、店内のラグ、ポスター、ミラー、グリーンなどをコーディネイトしてくれるのも、この店の強みだ。
ご注文から手元に届くまでは、約2〜3ヶ月。中には、その間に何度も確認に来られるお客さまもいらっしゃるとか。友だちを連れて、見せびらかすかのように楽しく確認して帰られる姿に、大変嬉しい反面、気が変わったらどうしようとドキドキものらしい(笑)。
うちのソファーは、日本人好みだと思う。
外国のソファーは見た目だけでなく、実際のサイズもかなり大きい。こちらのソファーはサイズが日本家屋に適し、圧迫感がないのが特長。ビーンズ型やおにぎり型などトレンディーなデザインで、しかもお値打ち価格なので、30代くらいの世帯に人気が高い。皆さん、いろんなところを見てから、こちらへ来られる。「20代のころに買われてそろそろ買い替えたい」「あっ、わたしにも買えるね」「うちにちょうど良いサイズね」という理由で買われるケースが多いそうだ。そして、そういうお客さまは購入後も、何回も来られるようになる。家路の途中に立ち寄って、グリーンや花をプレゼント用に買って帰られる方も多いとか。
神戸ファッションマートに出店して、はや1年が過ぎた。客数は予想通り多くないそうだが(笑)、家具が集積した商業施設である恩恵はいろいろ感じているそうだ。スペースの関係で大きなものをたくさんは置けないが、今後はベッドなども置いてみたいと抱負を語る咲間店長。でも、家具屋っぽくはしたくないというこだわりもある。インテリアショップに見えたい。壁には鏡や絵をできるだけ飾りたい。そして、今後もやっぱりソファーにチカラを入れたい。と、締めくくってくれました。
インタビュー&ライティング 田中有史